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473. 自己免疫疾患の発症メカニズムの謎が解明

今朝の日経新聞に、「阪大発スタートアップ、自己免疫疾患の原因狙い撃ち」~関節リウマチや1型糖尿病 新薬候補開発、実用化探る~
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3946521027122018LKA000/
という記事が載っていた。

母が長年リウマチを患ってきたこと、膠原病由来の間質性肺炎も多いことから、「自己免疫疾患」記事には、自然と目が行く。

「免疫学」は、ゲノム解明と共に、近年大きく躍進しているようだ。
ノーベル賞を受賞された本庶京大名誉教授の専門も分子免疫学だ。
(→https://ameblo.jp/kinseymil/entry-12409086043.html?frm=themeノーベル賞とモノクローナル抗体医薬 でもご紹介)

阪大も京大に負けず劣らず、素晴らしい大家を輩出していて、リウマチの生物学的製剤「アクテムラ」の生みの親の岸本氏も阪大の名誉教授である。

今回の新聞記事は、阪大の荒瀬教授が、自己免疫疾患の発症メカニズムの謎であった部分を解明した。そして創薬のための資金調達ができた、というニュースだった。
メカニズムを理解するため、論文を読んでみた。
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/upload_img/%E8%8D%92%E7%80%AC_PNAS%20%E8%A7%A3%E8%AA%AC_140225.pdf

以下が骨子である。
「リウマチ因子」は、変性したタンパク質に反応しこれを攻撃する性質を持つ自己抗体で、リウマチ患者の8割で高値を示す。
タンパク質の製造工場たる細胞内では、畳み損ねの不良品が結構作られる。通常それは細胞内で廃棄されるので、細胞外に出て問題を起こすことはない。

ところが、主要組織適合抗原(MHC)を持っているヒトの場合、MHCが不良タンパク質と手をつなぎ(結合)、細胞外へと流出させてしまう。
この変性タンパク質とMHCの結合体を攻撃する、自己抗体が産出され、自己破壊が始まる。

RA1.png

そこで、このMHCが変性タンパク質と結合するよりも早く、治療「ペプチド」を作って結合させてしまえば、根治が望める、というのが今回の着目点だ。

『このMHCは、非常に多様性に富む分子で、それぞれの個人で異なる組み合わせを持っており、どのMHCを持っているかで、自己免疫疾患の感受性が決定される最も重要な分子です』

『他の自己免疫疾患においても同様に変性タンパク質とMHCとの複合体が自己抗体の標的になっていると思われます。従って、この複合体は様々な自己免疫疾患の治療薬開発のための標的分子だと思われます』

今回の研究からリウマチの根治薬が開発されれば、他の膠原病(強皮症、エリテマトーデス、皮膚筋炎)のMHC特定も行われ、これを標的分子とする薬も開発されていくだろう。


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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています

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