FC2ブログ

記事一覧

464. KL-6の高いIIPsにはピレスパ®

CTD-ILD、NSIPの人は、KL-6の高い人が多いのではないだろうか? KL-6が2000、3000という値も時々目にする。
一方で、IPFはKL-6の値は、1,000を超えないことがままある。
だが、きちんと肺の線維化は進行するから、KL-6の値だけを比較して、どちらが重篤かは言えない。

KL-6はシアル化糖タンパクで、II型肺胞上皮細胞で産出されているもの。
上皮細胞に障害が起きると過剰産出されるのだが、血液検査で高い値になるには、過剰産出に加え、「炎症が起きていること」が必要条件となる。
炎症が起きれば、上皮細胞から血管への流れ込み、「浸潤」が起きやすくなり、結果的にこの特異的タンパクが血液中に多く検出される。

ピレスパはもともと「抗炎症薬」として開発がスタートされた薬だったらしい。
https://pulmonary.exblog.jp/12419723/
この作用機序の図を見たことがある人は多いと思う。TNF-αというのは炎症を惹起するサイトカンだ。

e0156318_2237309.jpg

関節リウマチの治療薬の生物学的製剤は、アクテムラ以外はTNF-αを阻害する。
だからピレスパはRA-ILDの人とは親和性が強い。
NSIPでもあとから膠原病の要素が出てくる人も結構いるようだ。

以上のことから総合的に、KL-6が高いタイプの人には、ピレスパがより有効なのではないか?というのが持論だった。

専門医による同じ見解を初めて見つけたので、ご紹介しておこう。
札幌医科大学・高橋弘毅教授の寄稿https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?page=1&id=9652

『他のタイプの間質性肺炎と異なり,IPFはステロイド治療が基本的に無効です。
ステロイドの標的細胞(リンパ球)浸潤が肺内にほとんどみられず,一方で特異的な間葉系細胞(筋線維芽細胞)が増殖・活性化されていることが治療抵抗性の主な理由です。

『「特発性肺線維症の治療ガイドライン2017」で推奨される薬物治療は,ピルフェニドン(ピレスパ®)とニンテダニブ(オフェブ®)の2剤のみです。
いずれの薬剤も増殖因子による筋線維芽細胞の増殖・活性を抑えることから抗線維化薬と総称されます。

『両薬剤は肺活量の経年減少を抑制する効果を示し,無増悪生存期間を有意に改善しました。少なくとも肺活量が10%以上の経年減少を認めた症例には積極的に投与することが重症度にかかわらず推奨されます。

『私見ですが,潜在的膠原病(各種自己抗体陽性)を基礎疾患とするIPF患者の場合,リンパ球の抑制効果を併せ持つピルフェニドンを選択したほうがよいかもしれません。』

ようやく見つけた。専門医の同じ見解。
エビデンスデータがある訳ではないので、あくまでも私見とせざるを得ないのだろう。
しかし臨床的に得られた感触は、時としてエビデンスに勝る。


にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

コメント

No title

2年前に、某専門医から「ステロイドよりビレスパは?」と勧められました。しかし、主治医は、まだステロイドの効果が見込めると言いました。私も副作用のことがあったので、それに従いました。今、そのことを後悔はしていませんが、ビレスパの再検討を始める時期かなと感じております。

Re: No title

Kenさん
副作用がでず、ピレスパ効果が出れば、良いですね。

No title

ゆりりん様
久々に高橋教授の寄稿文を読みました。

教授の考えは信じて良いと思います。
強個性の人物ですがiipsに関して労を惜しまない人と感じています。

Re: No title

tati様
ありがとうございます。
エビデンスや論文発表がない中で、私見を述べられるのは勇気のいることだと思います。
それだけに本当は自信満々なのだと思います。

私もかなり自信あります(笑)。


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています

このページのトップへ