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462. RA-ILDとIPFの共通の遺伝子変異

リウマチ(RA)は多分最もポピュラーな膠原病だろう。全身性の炎症性疾患、自己免系異常を伴う疾病だ。
「記事368. 膠原病と間質性肺炎」 http://kinseym.blog.fc2.com/blog-entry-368.html
 で紹介した藤井隆夫著によると、「膠原病は、遺伝的要因、環境要因、制御因子の機能ロス、この3つがすべてONになると発症する」と考えられている。
そして間質性肺炎の併発しやすさは、膠原病の種類により異なり、多発血管炎>多発性筋炎>強皮症>混合性結合組織病>関節リウマチとなっている。

間質性肺炎(ILD)を併発したリウマチ(RA)、なかでもUIPパターンを呈するRA-ILD患者には、IPF患者で多くみられる*MUC5B遺伝子変異が同様に起こっている、という論文が先月20日に発表された。
MUC5B Promoter Variant and Rheumatoid Arthritis with Interstitial Lung Disease
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1801562
対象は、RA-ILD患者620名、ILDを発症していないRA患者 614 名、比較する健常人は 5,448 人の遺伝子データだ。

* MUC5B遺伝子は、IPF患者の少なくとも50%で変異があり、特に進行性群では30%に変異が見られる、としている。

nejmoa1801562_f1.jpg

上図はオッズ比だが、健常人と比較して何倍「起こりやすいか」を示した図。
Aは、ILDを発症していないリウマチ患者(RA)と健常人の比較。限りなく“1”なので、変異なし。
Bは、間質性肺炎を発症したリウマチ患者(RA-ILD)と健常人の比較。遺伝子異常の発現が多いことが分かる
Cは、UIPパターンを呈している群での「遺伝子異常」の発現が多いことが分かる

ここからは私見である。
IPFと同様の遺伝子異常を呈するRA-ILD患者には、進行性肺線維症に転じる可能性が高いと考える。
また、共通性があればあるほど、従来のステロイド+免疫抑制剤治療では、進行を抑えきれない可能性が高いと考える。

被験者データ
nejmoa1801562_t1.jpg


MUC5Bと肺線維症の論文は、日本語のアブストラクトも出ていたので、参考下さい。
→頻度の高い MUC5B プロモーター多型と肺線維症
https://www.nejm.jp/abstract/vol364.p1503


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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています

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