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459. 肺高血圧症の合併症に打ち手はあるか

間質性肺炎と肺高血圧症の合併症については、何回か記事にしたが(「記事406. 肺高血圧症とは」、http://kinseym.blog.fc2.com/blog-entry-406.html )、肺高血圧症から右心不全を起こすメカニズムについて、とても分かりやすい図があったので、引用したい。
http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/pph/
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『右心室はもともと高い圧力に耐えられるようにできていないため、このような負荷のかかった状態が続くと、右心室は拡がったまま戻らなくなり、その機能を失っていく』

肺高血圧症=右心不全が起きる原因には色々あって、その原因ごとにタイプが分けられている。私たちはGroup3. 肺疾患/低酸素血症に伴うPH。
タイプによって、治療できるか否かが決まる。

2018年6月に「肺疾患に伴う肺高血圧症のガイドライン」http://jpcphs.org/publiccomment/ph_guideline2018.pdf が発行されていた。
これによると、通常の肺高血圧症の場合は治療薬があるのだが、間質性肺疾患に伴う肺高血圧症に使える薬がない。薬の投与による明らかな効果はなく、副作用で被る不利益のほうが大きくなる。

このガイドラインでは、シルデナフィルという薬(バイアグラとして有名)に期待をかける記述になっていた。

しかし、最新の後ろ向き研究(IPF患者274名)では、オフェブとシルデナフィルを併用した群とシルデナフィルを服用していない群で、差異が出なかった。
Nintedanib plus Sildenafil in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1811737

ガイドラインでは「PH-IP の病因として、低酸素血症に伴う肺血管攣縮、肺実質障害に伴う細動脈・毛細血管の圧排・閉塞(肺血管床の減少)、血管壁のリモデリングなどがあげられる」

この肺血管床の減少というのは、最近流行の言葉で置き換えれば、肺の「血管のゴースト化」ということだろう。血管が喪失していっているのなら、症状が進めば進むほど血管拡張薬の効能が弱くなるだろう。

私が調べた範囲で、残存している肺胞毛細血管のリモデリングを防止する効能があると思われるのは、オフェブとメトホルミンだ。(「353. 血管リモデリングの抑制」http://kinseym.blog.fc2.com/blog-entry-353.html

無理のない程度で、早期の服用が望ましいと思う。



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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています