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445. マクロライド系抗菌薬に線維化抑制の可能性

私のブログにコメント頂いた方が、クラリスロマイシンという抗生剤を10年間服用されていると書かれていた。
「多発性筋炎由来の抗ARS抗体症候群の間質性肺炎」ということだが、上記の抗生剤以外は無治療で、10年お過ごしになれているとのこと。
マクロライド系抗菌薬について少し調べてみた。

クラリスロマイシン自体が間質性肺炎に有効という論文は見つけられなかったが、同じくマクロライド系抗菌薬であるアジスロマイシンについて、”Azithromycin はNADPH Oxidase (NOX) 4の分解亢進を介してTGF-β誘導性筋線維芽細胞分化を抑制する“ (Azithromycin suppresses transforming growth factor β-induced myofibroblast differentiation by promoting degradation of nicotinamide adenine dinucleotide phosphate oxidase 4)
という論文をみつけた。
http://ir.jikei.ac.jp/bitstream/10328/8976/1/131-6-153.pdf
20番目に掲載されている。

日本語ではあるが、難解なのでこれを簡単に書くと、
アジスロマイシン→NOX4亢進抑制→TGF-βによる線維芽細胞が筋線維芽細胞への変身を抑制→線維化の抑制
という内容だ。

これは、メトホルミンの抗線維化作用と同じ経路である。
メトホルミン⇒ATP増加⇒活性酸素の減少⇒NOX4の合成抑制⇒TGF-βの抑制⇒線維化の抑制
「207.認可薬の未知の効能」 http://kinseym.blog.fc2.com/blog-entry-207.html

アジスロマイシン=ジスロマックという薬名に何か記憶があったので、mr446raのブログに戻ってみた。見つけた。
http://mr446ra.blog.fc2.com/blog-entry-497.html
ジスロマックもクラリスロマイシンも処方されていた。
mr446raは結果的には亡くなられているが、IPF患者としては群を抜いて長寿であった。
主治医が、かなり積極的な投薬をする医師だったと思われる。

私は抗生物質(=抗菌薬)というのは、菌をやっつけるために短期決戦をする薬であり、だらだらと服用すると耐性ができてしまうので不利である、という理解だった。凡そその理解で間違いはないのだが、異なった使い方もある、ということを今回知った。

多分、抗生剤の使用についてはタイミングや間質性肺炎のタイプや、進行度合いにもよると思うが、選択肢のひとつとして記憶しておいたほうが良い、と思うに至った。
コメント頂いた方に、感謝して。



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コメント

こんにちは。

クラリスロマイシンは自分も服用します。
spo2が少し低下し、怪しいなと感じたときにまずはクラリスロマイシンで様子みます。低下が改善しなければステロイド静注からの増量に移行してます。

抗炎症作用を期待しての服用ですが、線維化抑制効果も期待できるとは、驚きです。

そして、
こんな記事もみつけました。

http://medical.radionikkei.jp/medical/abbott/final/pdf/050603.pdf

2005年と古く、以降はそのようなものが見つかりませんので眉唾でしょうか。

家にあるクラリスロマイシンを飲み始めたのはいうまでもありませんが、、、笑

Re: タイトルなし

ぼっち様
分かりやすい資料を見つけて頂き、ありがとうございます。

英文の論文も検索かけてみましたが、肺がんについていは「増殖抑制力を持つ」というエビデンスあり、と結論を出しているものもありました(2015年、ベルギー)。
炎症系サイトカインを分泌させずに、がんを広がりにくくする。
200mg/日x4年間の服用で、軽度な下痢以外の副作用なし、という記述でした。

肺がんとIPFはいとこのような関係にあると思うので、これはいけるかもしれません。

No title

ゆりりん様
3ヶ月服用しました。
途中から手術(VATS)感染予防として継続。
短期間だったのは副作用に耐えられなかったのと
数値が安定したからと聞いています。
お薬手帳ではクラリシッド錠
当時はステロイドが効かないタイプと判断されていました。

Re: No title

tati様
早速、お薬手帳で確認して頂いたのですね。ありがとうございます。
副作用というのは、下痢?肝機能障害?またよろしければ、教えて下さい。

No title

私はエリスロシンという抗生物質をもう2年くらいのんでいます。
最初はクラリスでしたが、当時疑われた非結核性抗酸菌症に耐性が
できて使えなくなるということで、エリスロシンに変更されました。
確かこれもマクロライド系の抗生剤だったかと?
少量長期という飲み方です。

非結核性抗酸菌症の方はこの飲み方、
結構いらっしゃるかと思います。

私は、気管支拡張があるので、のんでいた方が良いという
ことで飲んでいますが、
何に効いているのか自覚症状はありません。

Re: No title

さくら様
コメントありがとうございます。
抗炎症の作用も認められるマクロライド系抗生剤、ご自身の実感はないかもしれませんが、KL-6が比較的低いのも、地味に効いているのかもしれませんね。

No title

ゆりりん様
クラリシッド錠副作用
強く感じた順番
味覚異常、吐気、食欲不振、嗅覚異常、指の震え
今、考えると認知障害も出ていた形跡があります。
肝機能等の数値は変化なし。
抗がん剤の副作用に近いと云われました。

No title

クラリロスマイシンは古い抗生剤で、現在では耐性が生じてしまっており抗菌剤として使われることはあまりありません、しかし気管支の浄化作用があるので、呼吸器疾患の多くの場合に処方されています。特に間質性肺炎に効くというわけではないと思います。
意外な間質性肺炎薬剤はセルベックスでしょうね。

Re: No title

tati様
クラリスロマイシンは副作用が小さい、と書いてあったのですが、個人によって副作用の出方は本当に様々ですね。
ありがとうございました。

Re: No title

おら様
同じマクロライド系抗生剤といっても、ドラッグリポジショニングとしての効能は、アジスロマイシンとクラリロスマイシンでは、異なるのかもしれません。
間質性肺炎の発症背景も、本当に千差万別なので、抑制効果のある無しは、一概には言えませんね。

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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています