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435. AMPKと線維化の改善

間質性肺炎の根本原因は、肺組織の細胞内での代謝異常である、というのが主流の考え方になってきているようだ。

代謝というのは、エネルギーの備蓄をしたり、分解して使用したりする作用全体を指すが、それだけではなく、細胞のアポトーシスをつかさどる機能がある。
アポトーシス=細胞死したものは、分解されてゴミとして回収されていき、その大半がリサイクルされて不要なものだけが体外に排出されていく。
肺線維症は、このアポトーシスが正常に機能せず、結果、過剰に産出されたコラーゲンという形で堆積していく。

一方がんは、正常細胞がミュータント化したもので、永遠の命を得たミュータントは、どんどん正常細胞を駆逐しながら拡大していき、やがては臓器がその機能を失う。つまりがんも、アポトーシス機能不全であるわけだ。

では、アポトーシス機能を健全化して、代謝が活発に正常に起こるようにすればよいのでは?と思われる。
この代謝を活性化する酵素がAMPKであり、薬理的にAMPKを活性化できるのが、メトホルミンである。

2018年の7月2日(この記事の2日前)にNature Medicineに発表された論文
「 Metformin reverses established lung fibrosis in a bleomycin model」 
https://www.nature.com/articles/s41591-018-0087-6#additional-information
の要旨のダイジェストを紹介しておこう。

『細胞内で起こる代謝。単にエネルギーの同化と異化のプロセスだけではなく、傷害された組織の修復とリモデリング反応を規制しており、そのセンサー的な働きをするのがAMPKである。

肺の線維化が起こっている細胞では、AMPKの活動が低下し、正常なアポトーシスを妨げる筋線維芽細胞が活性化している。これはIPF患者の肺でも確認されている。

薬理的にAMPKを活性化させると、ミトコンドリアの生合成が活発になるとともに、アポトーシス感度が正常化される。
マウスモデルでは、AMPKに依存する形で、線維芽細胞の活性化が沈静し、すでに起きてしまっている線維化の分解が加速化された。』

AMPKについては、別ブログで易しく説明しているので、ご参考下さい。
「運動とAMPK」
https://ameblo.jp/kinseymil/entry-12378380561.html?frm=theme



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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています