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423. IPFとNSIPの遺伝子分析 その1

NSIPは線維化が進行する場合、IPFとほとんど変わらないのにもかかわらず、ステロイドと免疫抑制剤の治療を続け、坑線維化薬の治療の機会を失うことが多い。この状況に苛立ちを感じていた。その当時の記事が、「261. NSIPとIPFの僅差」http://kinseym.blog.fc2.com/blog-entry-261.htmlだ。

今回2017年8月発表の学術論文で興味深いデータがあったのでご紹介したい。
Gene expression profiling of idiopathic interstitial pneumonias (IIPs): identification of potential diagnostic markers and therapeutic targets.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28821283
この論文は、KL-6を発見し、間質性肺炎の診断マーカーとして臨床への活用を可能にした広島大学の河野教授 https://hutdb.hiroshima-u.ac.jp/seeds/view/534/ja 
もその名を連ねるチームによる、さらなる研究報告だ。

目的: IIPsの遺伝子発現のプロファイリングを行い、IIPsを正しく診断するマーカーを見つけ、その治療ターゲットを見つける。
方法:IPF(7名)とNSIP(5名)患者の肺組織を採取してRNAの遺伝子発現を分析する。薬の影響を排除するために、まだ何の治療も受けていない患者を対象とする。肺機能も同等の人選である。
結果:健康な人の組織に発現する個々の遺伝子と比較して、「増大している」遺伝子は98種類、「減少している」遺伝子は1193種類。これらのトップ159の遺伝子に限定して、12名の患者の遺伝子発現マップを作成。赤↑、緑↓ (黒い部分は該当しないところ)で、あみだくじのような形状をした上図は、短いカップリングほど近似していることを表している。 

IPF1~7、NSIP1~5は各患者の番号だ。
(1)は病気、機能不全に関わる遺伝子群 (2)は分子、細胞機能に関わる遺伝子群 (3)は生理体系進展と機能に関わる遺伝子群

さて、これを見てどう思われるだろう。
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コメント

No title

ゆりりん様

解らないのが本音です。
気になる文字、文はいくつかありました。
論文箇所は※太字で表記しました。
※炎症反応や免疫疾患より癌に類似。

これはKL-6の元の役割を考えると理解できる。

※IPFとNSIPは類似していて同肺で共存。
※本研究に含まれるNSIP患者は、大部分が線維性NSIPで構成されていた

ここに示した結果は、単一の臨床実体としてのこれらのIIPサブタイプの再分類を支援する。

これは他のIIPでも起こりえるのではないだろうか?
IIPが300も400にも分けられる証明でもあると思う。
論文にもあったが民族性遺伝子の関与はいかがな物なのだろうか。

類似研究でDIP論文がありました。ありがとうございます。

続き2~3は軽くしか眼を通さなかったことをお詫びします。
3の最終文章で「やはり」と思いました。

論文を見ているだけで知恵熱・耳から煙が出てきたので投げ出します。

Re: No title

tati様

論文の原文を読まれたのですね。ありがとうございます。

人は「自分の解っていることしか見えない」バカの壁ですね。
これを超えるのは難しいものです。

私の直感は3年前から変わっていません--「ステロイドが効かないのは、何かが間違っているからだ」と。

私は自分の直感を裏付ける論文ばかりを選んでいるのかもしれません。
目にとまるから、理解できるから、です。

以前の記事にも書いていますが、IIPsはいろいろな要因が絡み合っておきる病気だろうと思います。
ほとんどが複合型で、組み合わせにより多くのバリエーションが出てしまう。

民族性遺伝子の関与があるか?ですが、これも多少はあると思います。
「コントロール細胞(健康な人の肺)」が、白人細胞しか研究市場に出回っていないため、日本人との比較ができない、と書かれていましたが、確かに残念な点だと思います。

この記事が、よりよい治療法を見つけられることに少しでも役立てば、と願ってやみません。

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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています