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394. 良いコトバ⑦

今でこそTVは薄型になったが、昔のブラウン管のTVは奥行きがあって、その上に置物などを飾ったりしたものだ。
昨夜布団に入ってから、ふと8歳か9歳の頃の、そのような昔の風景が浮かんできた。

実家の床の間にTVが置いてあって、その上に干支の絵皿を飾ってある。
何かの拍子に私がその絵皿に触ってしまい、あっと思った瞬間に絵皿は落ちて、激しく砕けた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」半べそをかきながら謝る私。
母は少し眉を上げたように思うが、父は全く怒らずにサラリと「形あるものはいつか壊れる」と言った。

その言葉を、どうしたことだろう、昨夜布団の中で鮮明に思い出したのだ。

十二支の中で、欠けたのは何だったのか、それは今となっては思い出せない。
ただその次の年がきて、新しい干支の絵皿が飾られるまで、子供なりに心は痛んだということは覚えている。
ほろ苦く、かつ優しい思い出だ。

生来の粗忽さはなかなか改まらないできてしまったが、父の人生感は確かに自身に受け継がれている。
諸行無常。であるからこそ、今の一瞬を潔く一生懸命に生きたいと思う。
布団の中で少しだけ涙で風景が滲んだ。



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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています

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