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390. 代え難い人

両親の老老介護を見ていると、この言葉しか思いつかない。
会社や社会での役割は、いくらでも替えが効く。
大恋愛をしているつもりでの恋人も、きっと新しい恋ができるくらいに若ければ、失恋の痛みからも立ち直っていく。
しかし、ダイアモンド婚を越えて、人生の苦楽を共にしてきた夫婦というのは、血のつながりのある親子の関係よりもさらに深い。

認知機能が落ちてきた母に、父は変わらずに話かけ続ける。
もう回復はしないことは分かっていて、それでも少しでも機能を維持させたいからだろうと思う。
一緒に大相撲を見ながら、「どっちが勝つと思う?」と母に話しかける。
力士の名前ではもうめったに答えられないから、「青か緑か?」とまわしの色で答えさせようとする。
「あ、お」と答えたら、最高に気の利いた答えを聞いたかのように、「そうか、青か。そしたらお父さんは緑や、勝負!」等と言って、一緒に観戦するのだ。

父が愛情深いということもあるだろうし、母の人徳とも言えるだろうと思う。
けれど憶えていようと憶えていまいと、「あの時はあんなことがあったな」と昔のことを振り返り、語りかけることができる相手は、それはもうお互いしかいない。
長生きすればだんだんと自分の身近な人の数が減っていく。
人生を共にした伴侶はますます重要で、余人をもって代え難い、大切な人になっていくのだろうとしみじみ思う。



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コメント

No title

戦い抜いた同士の絆は何者にも代え難いと聞きます。
人生の戦友、ひとときの休憩の風景が浮かんできます。

Re: No title

tati様
コメントありがとうございます。
この肺炎ブログ村にも、ご主人が病気あるいは奥さまが病気で、伴侶の方の体調によって一喜一憂されている方がいらっしゃいます。
本人がしんどく辛いのは当たり前ですが、その伴侶の方のお気持ちの揺れもいかばかりか、と思います。
ただ支えてくれる人が傍らにいてくれる、というのはご本人には心強いでしょうね。

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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています

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