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388. 逆もまた真なり

ピルフェニドン(ピレスパ®)がNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に有効とのマウスでの実験結果が出た。
http://www.amed.go.jp/news/release_20170317.html

NASHというのは、肺における線維化が肝臓に起こった疾患だ。
通常肝硬変はアルコールの過剰摂取によって起こるが、アルコールを摂取しないにもかかわらず、炎症が起き線維化がすすみ、肝機能を失っていく、いわば“特発性肝線維症”とも言えるのがNASHだ。
https://www.businessinsider.jp/post-912

IPFとNASHのメカニズムの共通点を指摘して、創薬についてもこの二つの異なる臓器を対象としての開発が行われている。
私がご紹介した治験薬としては、記事199.310.のND-L02-s0201、記事305.356のPBI-4050、記事208.299.377のAD-114、そしてこれから記事にするつもりのPXS-5382Aという開発薬も、IPFとNASH両方をターゲットとしている。

今回ピルフェニドンがNASHにも有効、というニュースは2つの意味で朗報だ。
1つは、NASHに有効な薬が肺線維症にも有効となる可能性が出てくること。
これは創薬が二方向から行われるわけで、確実にスピードを加速する。
NASHの罹患者は年々増加しており、IPFのような少数難病ではないため、大手製薬会社による開発レースが繰り広げられている。

もう1つは、ピルフェニドンの作用機序がより明確になり、線維化を抑制する薬剤としての有効性を証明できたことだ。
IPF薬有効=NASH薬有効ではないかもしれないが、IPF薬有効≦NASH薬有効だとするならば、NASHへ治験を広げることで、スクリーニングが容易だ。
いわば“10-7=3”の答えを、“3+7=10”で答え合わせするようなもの、と言ったらいいだろうか。
Vice Versa--逆もまた真なり、である。



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2017.10追記: ピレスパは日本では新しい薬ではないため、過小評価されているようです。炎症値の低い典型的なIPFに対しては効力が弱いようで、処方対象がむしろIPFオンリーだったため、そのような過小評価が出ているように思えます。炎症を契機に線維化が進んでいるタイプの進行性肺線維症(膠原病性、NSIP含む)には、オフェブがよりピンポイントの「のどに効く風邪薬」とすれば、ピレスパは「総合感冒薬」のように機能して、効果が望めるように思います。実際に米国などでは「進行が止まった」というケースが大々的に記事にされていたりします。また、最新の情報では、急性増悪の時期を遅らせ、死亡率を低下させる効能があることが確認された、と報道されています。辛い胃腸障害が出なければ服用を試してみる価値のある薬だと思います。
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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています