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385. 進行性肺線維症という概念 その2

ILD(間質性肺炎)の発症について持っているイメージは、スロットマシーンの絵柄が3枚揃った時に起きる、というものだ。
それぞれの絵柄は、遺伝子変異、環境要因、体内分泌エラー(ホルモン、サイトカイン異常)。
遺伝子変異は、家族性IPFに代表される何らかの遺伝子発現の欠損や老化による変質が考えられる。
通常の発症年齢が50歳以上だということを鑑みても、これは間違いないだろう。
環境要因は、石綿、喫煙、汚染、粉じんに加え、室内犬や猫等の体毛がもつ環境の影響もあるだろう、と思う。
これは肺のマイクロバイオームの変化(記事295. マイクロバイオーム)、と捉えている。
体内分泌エラーは、薬剤が引き金となるもの(ブレオマイシン、イレッサ、小柴胡湯)、更年期や、過剰なストレス、他の疾患からの影響などを考えている。
それぞれの要素の割合によって、進行の可否、あるいはそのスピードも全く違ってくるのではないか、というのが私の仮説だ。

肺線維化の進行が治療(ステロイド、免疫抑制剤)によって止まっている(寛解)場合はよし、進行が止まらない場合、IPFで認可された抗線維化薬を治療に使ってみるほうが、理屈に合う。
同じ考えで、200種類以上あるILDの分類の垣根をとっぱらい、進行性肺線維症(PF-ILD)という新たな概念でのニンテダニブの治験が始まっている(記事294. ニンテダニブのIPF以外の治験募集)。

肺線維化を止める新薬の開発は継続して続けられ、また希望の持てる治験結果も多く出てきている。
そのアプローチはさまざまだが、遺伝子変異に働きかける“核酸医薬”、サイトカインに働きかける“抗体医薬”や“分子標的薬”。
また、肺胞の間質中での変化ではなく、血管リモデリング(記事349. 病は血から)に焦点を当てこれを抑制するというアプローチが、メトホルミンの活用や、治験中の血漿成分・酵素抽出薬に期待できるのではと考えている。
下図は肺胞とその毛細血管を表したもの(IPF todayからの拝借)。
肺胞がメロン、毛細血管がメロンの網目、と以前表現したのは、このイメージからである。
毛細



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2017.10追記: 複数のカードの絵柄がそろった時に発症する--これはがんの発症メカニズムでもよく使われている表現です。IPFとがんは兄弟、とまではいきませんが、従兄くらいの関係にはありそうです。ニンテダニブも抗がん剤として開発がスタートしています。また肺がんの分子標的抗がん剤であるイレッサが、薬剤性間質性肺炎を高確率で発症させることも、がんとの関係が深いことを示唆していると思います。
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コメント

No title

特発性だが自己免疫疾患の様相もあるIPAFという概念が、単なる言葉合わせになるのか、臨床的な展開につながるのか、少しは関心あります。私の状況に似ていますから。ただし、大きな期待はしませんけどね。

Re: No title

ken様
IPAFという概念は、医療者サイドの概念で、患者への恩恵という点ではどうでしょうか。
IPAFについても、抗繊維化薬が第一選択肢になり得る、というような意見も読みましたが、あまり積極性は感じないです。
薬品メーカー主導の概念のほうが、実践的という気がしています。

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プロフィール

ゆりりん

Author:ゆりりん
1962年生まれの56歳、京阪神に生息。
2014年12月末にIPFの告知を受けてから、経過と探求の日々を綴っています